カニング伯爵(Earl Canning)は、かつて存在した連合王国貴族の伯爵位。インド総督を務めた第2代カニング子爵チャールズ・カニングが1859年に叙されたのに始まるが、子供がなかったため1862年に彼が死去すると廃絶した。

歴史

イギリスの首相(在職1827年)や外務大臣(在職1807年-1809年,1822年-1827年)を務めたトーリー党の政治家ジョージ・カニング(1770年-1827年)の妻ジョアン・カニング(1776年-18371837年)(陸軍将官ジョン・スコットの娘)は、夫の死後の1828年1月22日に連合王国貴族爵位キルケニー県におけるキルブラハムのカニング女子爵(Viscountess Canning, of Kilbraham in the County of Kilkenny)に叙せられた。この爵位には彼女の夫の直系・嫡出の男系男子に継承される特別継承者(special remainder)の規定が付けられていた。

この規定により彼女の死後、カニング夫妻の三男(長男と次男は男子なく死去していた)であるチャールズ・ジョン・カニング(1812年–1862年)が2代カニング子爵位を継承した。彼も保守党、穀物法廃止を巡る保守党分裂後はピール派に属した政治家であり、第二次ピール内閣の木材・森林長官(在職1846年)、アバディーン伯爵内閣の郵政長官(在職1853年-1855年)を務めた後、1856年2月にインド総督に就任した。1857年から1858年にかけてインド大反乱の鎮圧にあたり、その功績により1859年5月21日に連合王国貴族爵位カニング伯爵に叙された。

しかし子供がなかったため、彼の死去とともにカニング伯爵位とカニング子爵位は廃絶した。

歴代当主

カニング子爵 (1828年)

  • 初代カニング女子爵ジョアン・カニング (Joan Canning, 1777年–1837年)
  • 第2代カニング子爵チャールズ・ジョン・カニング (Charles John Canning, 1812年–1862年)
    • 1859年にカニング伯爵に叙される

カニング伯爵 (1859年)

  • 初代カニング伯爵チャールズ・ジョン・カニング (Charles John Canning, 1812年–1862年)
    • 彼の死とともに廃絶

関連項目

  • ストラトフォード・ドゥ・レッドクリフ子爵 - ジョージ・カニングの従兄弟ストラトフォード・カニングが1852年に叙された連合王国貴族爵位。一代で廃絶。
  • ガーバー男爵 - ジョージ・カニングの従兄弟ジョージ・カニングが1818年に叙されたアイルランド貴族爵位。現存。

出典

参考文献

  • 浜渦哲雄『大英帝国インド総督列伝 イギリスはいかにインドを統治したか』中央公論新社、1999年(平成11年)。ISBN 978-4120029370。 

関連項目

  • ガーヴァー男爵

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