札幌市交通局330形電車(さっぽろしこうつうきょく330がたでんしゃ)は、札幌市交通局が1958年に導入した札幌市電の路面電車車両である。

概要

1958年(昭和33年)に登場した。331~335号の5両。登場当初の塗色は上半部がデザートクリーム、下半部はダークグリーンであり、この塗色は他形式も含めた当時現役の全車両に拡大採用された。また、前面と車体裾にはステンレスの飾り帯も付けられた。

東急デハ200形をモデルに軽量車体、小径車輪による低床化が図られ、また、後に札幌スタイルと呼ばれることになる、丸みの強い、正面1枚窓のデザインが採用された。この設計は210形以降の道産電車の基にもなった。

当初からZ形パンタグラフ、ドアエンジン、大型方向幕が装備された。在来車よりも軽量で電動機出力も向上したため、運転しやすく、乗務員の評価は高かった。

1998年(平成10年)から2001年(平成13年)にかけて廃車され、3300形に主要機器を譲った。

改造

ワンマン化

1971年(昭和46年)に、全車が電車事業所でワンマン化改造され、識別のため、車体に蛍光色の赤帯が入れられた。

制御器

ワンマン化と同時に制御器を東京都電8000形の廃車発生品に交換し、直接制御から間接非自動制御に改造された。

車体更新

1980年(昭和55年)~1981年(昭和56年)にかけて車体更新が実施された。車体形状に変化はないが、側面の赤帯は白帯に変更され、裾のステンレス製飾り帯は撤去された。

塗色変更

  • 1986年(昭和61年)に331~333号が「'86さっぽろ花と緑の博覧会」PR塗装に変更された。
  • 1992年(平成4年)に331~333号が姉妹都市のドイツ・ミュンヘン市電を模した上半部クリーム、下半部ブルーの塗色に変更された。
  • 1994年(平成6年)頃の一時期、334号車の車体に熱帯魚のイラストを描いた、「マリン電車」というペイント車両で運転されたことがある。

保存車

335号の車体は札幌市西区の児童図書館に寄贈され、先に同施設に置かれていた216号と車体だけを交換した状態で再利用されている。

主要諸元

  • 全長:12,500mm
  • 全幅:2,230mm
  • 全高:3,690mm
  • 自重:13.5t
  • 定員:100人
  • 出力・駆動方式:40.0kW×2・吊り掛け式
  • 台車型式:東急車輛製造TS-309

2ndtrain 【札幌市交】3300形3305号本線試運転(202311)の写真 TopicPhotoID82055

2ndtrain 【札幌市交】3300形3305号本線試運転の写真 TopicPhotoID64145

札幌市交通局3300形電車 3303 すすきの停留場 鉄道フォト・写真 by 北の愛虎さん レイルラボ(RailLab)

札幌市交通局330形電車 334 すすきの停留場 鉄道フォト・写真(拡大) by norikadさん レイルラボ(RailLab)

札幌市交通局330形電車 331 電車事業所 鉄道フォト・写真 by norikadさん レイルラボ(RailLab)